公正証書遺言の作成時には、遺言者の意思が正確に反映されていることを確認し、公正証書としての信頼性を担保するため、証人2人の立ち会いが必要です。
とはいえ、「誰に頼めばいいのか分からない」「報酬は必要なの?」と不安や疑問を抱える方もいらっしゃると思います。
本記事では、公正証書遺言の証人の選び方や費用相場について解説します。
証人になることができない人
以下の人は、公正証書遺言の証人になれないと民法974条で定められています。
- 未成年者
- 推定相続人および受遺者、配偶者、直系血族
- 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記および使用人
公正証書遺言の証人の選び方
公正証書遺言の証人は、特別な資格や知識は必要なく、18歳以上であれば形式的には誰でも務めることができます。
とはいえ、実際には人選を誤るとトラブルや無効の原因になりかねないので、以下の条件を満たす人から選ぶのがおすすめです。
信頼できる人
遺言書の作成に立ち会ってもらう以上、証人に遺言の内容が伝わるのは避けられません。
そのため、「遺言書の内容を口外しない」「約束をきちんと守れる」など、信頼のおける人物に依頼することが大切です。
柔軟に日程調整ができる人
公正証書遺言の作成は、原則として公正役場で予約制で行われるため、証人にも決められた日時に同行してもらう必要があります。
そのため、証人は日程変更や時間の融通がきく仕事をしている人物が適しているといえます。
公正証書遺言の証人への謝礼・費用の相場
公正証書遺言の証人への謝礼・費用の相場は、以下のように依頼する相手や方法によって多少異なります。
知人に依頼する場合
証人を受けてくれた知人などに対して謝礼をする義務はありません。
しかし、「わざわざ来てもらった」ことへの感謝の気持ちとして交通費と5,000〜10,000円ほどの謝礼を包むのが一般的です。
公証役場に依頼する場合
自己都合で証人を用意できない場合は、公証役場で証人を紹介してもらうことが可能です。
ただし、作成にあたっては公証人への手数料が別途必要になります。
金額は段階的に定められており、相続財産の額によって異なりますが、おおむね1万7,000円〜5万6,000円程度が目安です。
詳しくは、日本公証人連合会の公式HP(https://www.koshonin.gr.jp/)をご参照ください。
まとめ
公正証書遺言の証人には特別な資格は不要ですが、法律で定められた範囲の人物に依頼する必要があります。
公正証書遺言の作成をお考えの方は、司法書士への相談も検討してみてください。